過払い金と使い方
過払い金と使い方
お客様のもとに過払い金が返還された後の話です。
弁護士は、依頼された全社から過払い金を回収して、お客様にお返しすれば、業務は終了となります。
しかし、あえて記載させていただきます。
お客様によっては、それまで借金の返済に追いつめられた生活をしていたのに、一転して、多額の過払い金が返還されることもあります。
なかには、多額のお金を受け取ったとき、宝くじで当たった、ギャンブルで勝った、などのように、自分で苦労せずに得たあぶく銭のように感じてしまう方がいるかもしれません(ギャンブルで努力している方には失礼な言い方ですみません)。
あぶく銭だと感じてしまうと、深く考えずに、一時的に贅沢をしてしまったり、必要でない物を買ってしまったり、ギャンブルをしてしまったり・・・そんな事に使ってしまうかもしれません。
しかし、その過払い金は、自分が苦労して払ってきた利息なのです。払いすぎたお金が、法的な権利を行使して戻ってきたものなのです。借金を払わなければならない、という心理状態、場合によっては、追いつめられたようなものだったのではないでしょうか?
そのような状態で、苦労して払ってきたものなのです。
苦しんで払ってきたものなのです。
その辛さは、仕事で働くより大きかったのではないでしょうか?
そうだとすれば、仕事で働いて得た収入よりも、大事に使って欲しい、個人的にはそう思います。
過払い金が返ってきたということは、過去に利息制限法で決められた利息よりも高い利息、グレーゾーンの利息を長い間払ってきたということです。
どうして、そんな高い利息を払うことになったのですか?
場合によっては、一時的な贅沢やギャンブルが原因かもしれませんね。場合によっては、一時的に得ていた高い収入をあてにして自動車を買ってしまったのかもしれませんね。安易に保証人欄にサインをしたのかもしれませんね。
高い利息を払うことになった、サラ金等から借りなければならなくなった原因が誰にでもあるはずです。
そして、高金利の借金をしていたときの自分。
その精神状態を覚えていますか。
返さなければならないものを背負っている状態は、精神的に負担があったのではないですか?心の闇があったのではないですか?
過払い金が戻ってきたときは、そのお金は過去に払った高い利息であることを思い出し、その利息を払わなければいけなくなった原因と心の状態を思い出してもらいたいと考えています。
皆様が、二度とそのような苦しい状態にならないことを願っています。