事例紹介
ケース紹介
ポケットカードの過払い金事例
ポケットカード(P-one、ファミマTカード、マイカル)は、約500万人の会員がいるクレジット会社です。
1982年設立。現在のカード事業は多岐に渡ります。かつてはマイカル系のカードを発行していましたが、現在は、ファミリーマート系のクレジットカードが流通しています。ファミマカードなどでは、ポケットカード社が過払い金の請求先となります。
プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)に合併されたポケットバンク(三洋信販)とは別会社ですので、間違えないようにしてください。
ポケットカードの過払い金請求の条件
2007年11月20日以前にポケットカードでのキャッシング取引があれば、状況に関わらず過払い金請求ができる可能性があります。
故人がポケットカードを利用していた場合も請求はできます。
過払い金の発生原因として、利息制限法という法律で金利の上限が定められていたところ、ポケットカードは上限を超える金利で貸し付けていた事実があります。
法律では、2010年に金利上限が20.0%に改定されていますが、ポケットカードはそれ以前の2007年に20%以下に金利を修正しています。
これにより、2007年11月21日以降の借入には過払い金はないと言われます。
また、他社でも同じですが、クレジットカードのショッピング利用関連の費用は、過払い金請求の対象外です。
ポケットカードへの過払い請求の流れ
弁護士に依頼後、取引履歴の開示請求をします。
ポケットカードに取引履歴の開示を求めるものです。約1,2ヵ月後に開示されます。直近でカードショッピング利用があると締め日までの関係で時間がかかります。
利息制限法に基づく計算をします。開示された履歴を元に正確な計算を行います。
その後、過払い金の請求をします。正式な過払い請求書をポケットカードに対して送ります。
裁判を行わない交渉段階では、過払い金の元金の9割以上が提案されることがあります。
交渉で和解が成立しない場合、裁判を行います。裁判の初期段階で、過払い金元金の満額+追加利息が提案されることが多いです。
裁判での和解が成立すれば、裁判上での和解を成立させるなどして裁判が終了します。
ポケットカード過払い金裁判での注意点
ポケットカードの裁判ではキャッシングでの計算方法に争いが出る場合があります。
キャッシングの取引内容では、1回払い、マンスリークリアなどと呼ばれる、キャッシングをして翌月などに一括して利息をつけて支払う方法があります。
それ以外に、いわゆるリボ払いのように、毎月、定額の返済をする取引もあります。
ポケットカードは、これらの取引について、取引履歴を個別に出し、別取引であると主張します。リボ払いと1回払いの混在の論点です。
各取引の最終取引から10年が過ぎていると消滅時効の主張がされます。
カードを利用していても、そのような主張がされることがあるので注意してください。
これらの取引を一体として計算主張する場合には、かなり争われることになります。
個別計算をするのかと、カード取引が続いているのに消滅時効期間が開始するのかという論点がありますので、注意してください。
また、ポケットカードは、過払い金の裁判で弁護士をつけ、約定の残高を過払い金と相殺するという主張をしてきたことがあります。約定の残高は、過払い金の計算過程で消滅しているはずなのに、あたかもショッピング残と同じような相殺の主張がされたものです。
明らかに誤りの主張でしたので、その点を裁判で強く主張したところ、相殺の主張は撤回されたという事例があります。
ポケットカードの弁護士からの主張でも、鵜呑みにせずにチェックする必要があります。
ポケットカード過払い金の注意点
キャッシング完済後もショッピング利用中の場合、その状態で、過払い金を請求すると、過払い金があってもショッピング利用分を相殺することになります。
ショッピング債務の方が多い場合には、任意整理扱いになってしまうことが多いので、心配な方は、ショッピング利用を止めてから請求した方が良いでしょう。
また、過払い金を請求する場合には、クレジット取引が終了し、ポケットカードは利用できなくなります。
ポケットカード過払い金の金額事例
ジン法律事務所弁護士法人で扱ったポケットカードの取引の利息制限法計算結果の一部を記載しますと、以下のような状況です。
計算前 | 計算後 | 取引期間 | |
---|---|---|---|
0円(完済) | → | -93万円 | 16年 |
0円(完済) | → | -172万円 | 14年 |
68万円 | → | -174万円 | 19年 |
30万円 | → | -21万円 | 8年 |
70万円 | → | -100万円 | 22年 |
62万円 | → | -316万円 | 21年 |
82万円 | → | -76万円 | 20年 |
90万円 | → | -63万円 | 14年 |
75万円 | → | -105万円 | 23年 |
0円(完済) | → | -110万円 | 15年 |
0円(完済) | → | -67万円 | 15年 |
80万円 | → | -78万円 | 21年 |
0円(完済) | → | -248万円 | 27年 |
19万円 | → | -115万円 | 25年 |
当時の約定利率や取引状況によって、金額は異なりますが、一例として参考にしてみて下さい。
ポケットカードの過払い金入金までの期間
裁判を起こすことで、全額回収は比較的できやすいですが、回収まで時間がかかるという印象を持っています。入金が10か月先になるという時期もありました。
平成27年の事例では、請求をしてから、入金まで約6か月というケースがあります。
2018年の事例では、請求をしてから、裁判経由で入金まで約3カ月というケースもあります。裁判所での和解に代わる決定では回収予定日は7カ月先だったのですが、数ヶ月早めての回収となった事例です。
2019年でも、訴訟提起から4,5ヶ月での入金となっています。
過払金の計算について、リボ払いと翌月一括払いの一体化、消滅時効などの争点がある場合には、ポケットカード側にも弁護士がついての法律論争になることもあります。この場合には、裁判は長引きます。2024年の事例では、訴訟提起から3回の裁判期日を経て、約6ヶ月後に過払金を回収したという事案があります。
会社の状況によって、入金予定日より相当早めて回収できることもある業者です。
ただし、裁判でも争点があると、当然ながら長期化します。
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